第14章 〜告白〜
『ほら、昨日は、岩田君と出かけるって
いったら、しぃちゃんにデートと勘違い
されちゃうかもね!って、か、揶揄われて
友達なのに、そんなことないのになーって
で、今日は、家康さんとこうして出かけ
きたじゃないですか。岩田君は友達だけど
家康さんとは、友達って言うのも変だし
家康さんからみたら、私は、同居人なのかな
家庭教師の生徒なのかなぁ?どっちかなぁ
とか、どうでもいこと考えちゃってて
あはは、独り言だったから、気にしないで
下さい!』
早口で、まくしたて誤魔化す桜奈。
(ダメだ、自分でも何言ってんのか
分かんないや。でも、お願いただの独り言と
思って、スルーして!)
桜奈が、どうしてそんなことを
聞いてきたのかは、正直分からなかった。
ただ、好きかどうかの核心を尋ねているのでは
なことは分かり、自分の密かな想いに
気づかれた訳ではないことに、ほっとした。
ほっとしながらも、勢いに任せて
自分の正直な気持ちを告げてしまえたら
どんなに楽だろうとも感じていた。
でも、それをしてしまったら
きっと後悔する。それだけは分かって
思いとどまった。
それから徐に、『あぁ、そう言うことか。
まぁ、確かに家庭教師の生徒だし、お世話に
なってる先の娘さんだけど、俺としては
妹か親戚の子ができたみたいに思ってるよ。
俺も末っ子だから、妹がいたらこんな感じかな
って・・・そんな感覚で桜奈とは
過ごしてるよ。揶揄うの楽しいしね』と
ニヤリと笑う家康。