第14章 〜告白〜
桜奈の中で、ずっと続いていた
疑問がまた堂々巡りを始めた。
好きな人に触れられるのは
安心し、心地良さで満たされて
いく気分になる。
もっと、触れ合っていたくなる。
その手に包まれていたくなる。
それは、自分が家康を好きだから
きっとそう思うのだろう。
じゃ、何故、自分のことなんて
きっとなんとも思っていない家康が
手を繋いでくる必要があったのだろう?
歩行介助なんて、冗談を言ってまで・・・
疑問は、いつも振り出しにもどる。
何故?からは、結局、前に進まない。
家康の気持ちを知る由もない桜奈は
自分では、出すことのできない答えを求め
考えあぐねる。
桜奈の眉間にはどんどんシワがより
難しい顔になりながら、それでも
無意識にケーキは口に運んでいた。
どんどん難しい顔になる桜奈を
見つめながら(何、考えてんだろう?)
と思う家康。
不意に触れられて、嫌だったのかと
どこか不安が付き纏いながらも
『ねぇ、眉間にシワ寄せながら
ケーキ食ってるけど、もう限界?
限界なら、無理しなくていいんじゃない?
お腹壊すよ?』と尋ねた。
声をかけられ、ハッとし
『あっ、いえ、いえ。ケーキは
めっちゃ美味しいですよ!』と
ニッコリしながら、パクッとまたケーキを
口に運ぶ桜奈。
『そう?ならいいんだけど・・・』
(じゃ、なんで眉間にシワ寄せてたんだ?)
『それにしても、さっきまでと違って
難しい顔して食ってるよ。なんか、ケーキの
味で気になるのがあったの?』と
桜奈の考えごとの理由をそれとなく
探る家康。