第14章 〜告白〜

可愛いと言われ『えっ』と驚いた表情の
桜奈に、自分が本音を漏らしたことを
慌てて誤魔化す家康。

『だって、食べ物いっぱい
ほっぺに溜め込んだ、ハムスターかと
思った、さっきの膨れっ面。
ケーキ入ってんじゃないって思ってさ
実際、入りそうじゃん』と桜奈の
頬をむにっーと両手で軽く引っ張った。
『ほら、凄い伸びるし』

『いひゃいでふ、ひゃにふるんでふは』
（痛いです、何するんですか）と
家康を睨む桜奈。

そんな桜奈を見ながら
ぶっと吹き出し、桜奈の頬から
手を離すと、今度はお腹を抱え
肩を揺らして笑う家康。

『もう！』
と言いながら頬を摩る桜奈だったが
触れられた頬は、熱を持ったように熱く
家康の手の感触が残り、心臓が壊れそうな程の
動悸が始まっていた。

一方、誤魔化す為とは言え、勢いで
桜奈の頬に触れた家康。
間延びした顔が可愛くて、愛しくて
でも可笑しくて、笑いが出たが

桜奈の頬の、その柔らかな
感触が、家康の手には生々しく
残っていた。

もっと近づき、もっと触れたくなる
衝動に、不用意に触れてしまったことを
後悔した。
（しまった、失敗した・・・）

また、桜奈に触れたいと
思っている自分の衝動を
握り潰すかのように、テーブルの下に
隠した手をぎゅっと握り締めた。