第14章 〜告白〜
『あっ、バレちゃいました?
でも、家康さんてほんと素直じゃない
ですよねー』と、家康の弱みでも握った
かのように、家康の顔を覗き込むようにして
にんまりする桜奈。
普段見ることのない、企むような桜奈の
表情に一瞬、ドキッとする家康だったが
『はいはい、桜奈みたいに素直
を通り越して、わっかりやすーい人間と
違って俺は、捻くれてるんでね・・・』
と家康も嫌味を返してきた。
『あっー!やっぱり!本音ではそうやって
私の事をわ分かり易い単純なやつだって
いつもバカにしてたんだー、ひど〜い!』
と、さっきのにんまりした余裕は
何処へやらで、むぅっとする桜奈。
『ほら、やっぱり分かりやすいじゃん。
まぁ、バカにはしてませんけど』としれっと
しながら、形勢逆転に満足する家康。
『ほら!やっぱりぃー!
ふんっ、いいですよーだ。
分かりやすかろうが天然だと言われようが
美味しいものを食べて・・・』と
一口ケーキを口にいれ、ほわっと
幸せそうな顔で『ああ、美味しい』と
言いながら食べ終えると
『って、言える方が、私らしいって
自分で思ってますから。
素直で、単純が私の長所ですから
捻くれ者の家康さんと違ってー』と
精一杯の反撃しながら、イッーと
言う顔をする桜奈だったが
『だね、素直で単純が桜奈の長所だね!
あっ、あと、天然だってことも忘れちゃダメだよ
桜奈の最大の長所なんだから』と
揶揄うようにクスクスする家康。
それを聞いて、ムキッーと
悔しそうな顔をし、頬をパンパンに
膨らませる桜奈が、可愛く見えて
仕方ない家康は
『ほんと、可愛いすぎたろ』とポロっと
本音が出てしまった。