第14章 〜告白〜
『素敵ですねー!歴史が取り持った縁
みたいで!史実でも、織田信長と徳川家康は
少しの間、兄弟みたいに過ごしてたんですよ!
まるで、歴史は繰り返すみたいな感じで
すごい萌えます!』
と、戦国時代の話になると、どんどん
テンションが上がる桜奈に
(あー、なるほどね、俺と兄貴を
信長と家康の一時の同居と重ねて
見たんだ。)
かつて、母や伯母もこのテンションだったのかと
思うと、ドン引きしつつも、微笑ましい気持ちで
眺めていたであろう、父の気持ちが分かるような
気がした。
それとは別に、家庭の事情に興味を
示さない理由もなんとなく分かった気がした。
家康は、『もしかして、桜奈はさ
俺と兄貴が兄弟みたいに仲が良くて
従兄弟なのに、兄だって言ってる
と思ってるよね?』
『えっ?そうですけど、なんか違いました?
お母さん同士が親友なら、頻繁に会ってて
きっと兄弟みたいに育ったんだろうなって。
だから本当の兄って言いたくなる
くらい、仲がいいんだろうなーって
思ったんですけど・・・あれ違います?』
家康にそう言われ、(確かにいくら仲がよくても
私も従兄弟達を兄とは紹介しない。・・あれ?
どう言うこと?)と桜奈は思った。
(やっぱり、そこは斜め上な天然解釈
だったか)と呆れるが、やっぱり可愛いと
思ってしまう家康。