第14章 〜告白〜
『あー、うん。兄には違いないないんだけど
兄貴は、父の姉の子供なんだ。だから実際は
従兄弟なんだよ。ちなみに名字も小田だから
フルネームだと、小田信長だよ。』
『おだのぶなが!ですか!!政宗さんみたいに
漢字もまんま織田信長なんですか?』
(えっ、食いつくとこ、そっち?)
家庭の事情ではなく、漢字が同じかどうかに
興味を持つ桜奈に、拍子抜けする家康。
ぷっと、吹き出すと
『いや、漢字は違うよ。小田は、さっき言ってた
小田総合病院の小田ね。兄貴は、あの病院の
跡取りだしね』と説明しながらクスクス
と笑う、家康。
何が可笑しかったのか分からない
桜奈だったが
『名字の漢字は、違っても小田信長なんて
凄い名前ですよー!なかなかつけるには
勇気いる名前ですよね?信長さんのお母さんも
もしや、相当な歴女だったとか?』
と、やはり、家庭の事情より
名前の由来に興味を示す桜奈。
『そっ、うちの両親の出会いのきっかけが
伯母だったの。伯母とうちの母は、高校の
先輩、後輩だったけど、徳川って名前に
うちの伯母が興味を示して、声かけて
きたんだって。
二人とも筋金入りの歴女だったから
あっと言う間に仲良くなって
伯母は、徳川家康の末裔の母と
知り合いになったって、家族に
凄い自慢してたらしいよ。
それで、お互いの家にしょっちゅう
遊びに行っては、歴史の話に花を咲かせて
親友になっていったって。
で、気がつけば家に来てる
母のことを父も気になりだして
付き合うようになって結婚したんだって。
それがうちの両親の馴れ初めね。』