第14章 〜告白〜
『いや、いや、家康さんの将来の夢に
比べたら、ケーキが食べたい下心だけで
選ぼうとしてる仕事ですけどね』
と、クスクスする桜奈。
『それでも、打ち込めるほど好きなことが
あるって羨ましいよ。俺は、父と兄が医者
だから、じゃ、俺もって理由で最初は
選んだ道だし。ただ、小夏の事があって
前よりは、真剣に向き合うようにはなった
けどさ。本当は、薬にも同じくらい
興味があって、薬科に行こうかと悩んだ時も
あるしね・・・』
婚約者の名前が出てきて
家康にとっては、人生に影響を与えた
大きな存在なんだと、改めて思い知らされた
桜奈は婚約者がどんな人なのか
本当は、もっと知りたかった。
けれど、あえてスルーした。
婚約者のことを知る以上に
恋人の話をする家康の顔をまともに
見れなくなりそうな気がしたからだ。
『家康さんって、ほんと頭いいんですね!
医大なんて、家族が医者だから自分も・・・で
簡単に入れるとこじゃないですからね!
軽〜い感じで言っちゃってますけど』と
信じられない!と言いたげな桜奈。
『えっ、そんな軽く聞こえた?
いやいや、俺だって天才じゃないから
吐くほど勉強して、やっと入りましたから!
もう、二度と受験勉強なんてごめんだって
思ってるよ、これでも』と
心外だと言いたげな家康。