第14章 〜告白〜
ケーキを選びながら、勢い余った
自分の家康好きに、自分でも少々呆れていた。
(家康さん、照れてたけど、きっと
だいぶ引いただろうな、あの感じだと・・・
でも、ドン引きされたままの方がいいのかも。
嫌われるのは辛いけど、1ミリも自分に
揺らがない興味がないって態度をとって
もらった方がその方が勘違いも
期待もしないで済むもんね・・
私のことは、なんとも思ってない
それが事実なんだけど・・・なんで?)
そう思いながら、ケーキを選ぶ自分の手にふと
目を止めた桜奈。
家康が手を繋いできた理由は
分からないままだった。
日に日に膨れ上がる家康への
想いを何度も諦めなさいと説得し
宥めながら、必死に閉じ込めているのに
隙あらば、どこかで期待してしまう。
それを、自分一人で抑えているのは
正直、キツかった。
そんな状態だからこそ、家康には
素っ気ない態度で勘違いする
余地など与えないで欲しかった。
それなのに
(なんで、家康さんは、手なんか
繋いできたんだろう?)
手を繋いで歩く間、勘違いしては
ダメだと言う自分と、もっとずっと
このままでいたいと思った感覚が
また蘇ってきた。
(何度考えたって、私がどう思ってたって
現実は変わらない。お姉ちゃんが体験した
奇跡みたいなことは、私には起こらない
そんなの分かってる。分かってるのに
どうして、言うこと聞いてくれないの?
私の気持ち!!)