第13章 〜真実〜
撫でらた部分だけが、熱を持ったように
熱かった。触れられた部分に自分もそっと
触れると、顔まで熱くなってきた。
(不意打ちやめて欲しい・・・)そう
言いながら、ニヤけてしまいそうな自分を
ぐっと堪えた。
『さて!お風呂入ってもう、寝よ!』
次の日の朝、目覚ましが鳴るより
早くパチッと目が覚めた桜奈。
カーテンをシャッーと開けると
レース越しに朝日が差し込んで眩しかった。
うーんと言いながら伸びをし、朝日を浴びると
今日が特別な一日になりそうな予感に
心が躍る気分だった。
(めいっぱい、今日を楽しもう!
後悔のないように・・・)ニッコリ微笑む
桜奈の笑顔には、最初で最後の
切ない影も含まれていた。
朝ごはんを食べ、バタバタと準備を始め
昨日準備した、薄黄色に小さな小花が
散りばめられた、ワンピースと、薄手の
白いカーディガンを羽織り、髪はサイドに
緩く編み込みし、同色系の小花のピンで
飾った。
色付きリップを塗り、鏡で最終チェックし
よし!っとニッコリすると
コンコンとドアが鳴り
『準備できた?』と家康の声がした。
『はい!今出ます!』とドアを開けて
出てきた桜奈をみて、家康は
目を見開いたまま、時間が止まった。