第13章 〜真実〜
スタッと立ち上がると、クローゼットから
明日着ていく洋服を選び始めた。
(家康さんは、どんな感じの洋服が好きなんだろ
//ぼっ//いやいや、デートじゃないんだから
家康さんの好みは、関係ないし・・)
何着か洋服をあててみたが、どれもピンとは
来なかった。可愛いと思われたい気持ちと
可愛いと思われたいなんておこがましい
気持ちがせめぎあっていた。
しばらく、迷ったが
(そうだ、さっき思ったじゃない。
自分の想い出の為にお気に入りの
姿で出かけよう!!)
相手にどう思われたいかではなく
自分をどう思いたいかで、洋服を選んだ。
(よし!明日は、めいっぱい自分らしく
楽しむぞ!最初で最後だもんね・・・)
洋服を選び、ハンガーにかけて準備し終えると
同時にコンコンと部屋のドアが鳴った。
『はい』と言って扉を開けると
お風呂上がりの家康が、まだ濡れた髪を
拭きながら『お風呂あいたよ』と
声をかけた。
『はい、了解です』と言って、ニコッとする
桜奈に、『それと、明日なんだけど
10時に家出るから、それまでに準備
しといてね』と付け加えた。
『分かりました。明日は、宜しくお願い
します』とペコッとお辞儀する桜奈。
『うん、好きなだけケーキ食べな!
太るかも知れないけど、それは自己責任で
宜しく!』とニヤッとした。
『ゔぅ、太るのは嫌だけど・・・
せっかくなんで、楽しみます!』と
ガッツポーズする桜奈。
クスっとしながら
『うん、そうしてもらえた方が
俺も、お詫びしがいがあるよ』と
優しく微笑むと、桜奈の頭を
ぽんぽんと撫でた。
『じゃ、明日ね』そう言って家康は
部屋に戻った。