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また、恋してくれますか。

第13章 〜真実〜


自分の心内は、家康にはもちろん、もう他の
誰にも悟れてはいけない。
桜奈は、告白は絶対しないと
心に誓った。自分の気持ちは
いつか消えてなくなるまで
飲み込んだまま、沈めておこう
そう思った。

それが、家康と小夏の幸せの
お邪魔虫に自分がならない為の最善策
なんだと思えた。

頑固とは、裏返せば意志の強さの
現れとも言える。

桜奈が、頑固だと両親から言われる
理由を家康は、これから思い知る事になる。

家に帰ってきて、早速、光成が薦めてくれた
『舞姫』を読もうとしていると

コンコンとドアをノックされた。
ガチャっとドアを開けると
急いで帰ってきたのか
まだ、息が整っていない家康が
立っていた。

『どうしたんですか?』
冷たくはないが、また心の距離を
感じる声のトーンに、家康は
嫌味を言ってしまった、バツの悪さで
いっぱいだった。

『あのさ、さっき、あの・・・店で
酷いこと言ってしまって・・・
悪かった。人の大事な告白場面に
茶々入れるようなことして』と
深々と頭を下げた。

『ああ、大丈夫ですよ。
気にしてないですから』
と、無表情で答える桜奈。

『ほんと、ごめん・・・それでさ
あいつと、その、付き合うの?』と
(はっ?何言ってんだ俺?余計なお世話なのに)

(なんで、そんなこと気にするんだろ?
どうなったか、気になるだけの興味本意?)

『なんでそんなこと聞くんですか?
それに家康さんには、関係ないと
思いますけど?』

(ほら、やっぱり言われた・・・
しかも、かなり冷ややかだし
はっー、どういい訳しよう?)

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