第13章 〜真実〜
(諦めるって決めたのに、一緒にいるところを
見ただけで、こんなに動揺するなんて
思わなかったな・・・諦めるどころか
余計に苦しくなってるし。
しぃちゃんには、張り切って振られて
こいって言われたけど、やっぱ無理だよ・・・
告白なんてしなくたって、今日で充分に
分かったよ。
せっかく予約してくれたけど
明日のケーキ、キャンセルしたいな・・・)
落ち込む桜奈は、大好きなケーキが
食べられることより、一緒に出かける方の
憂鬱が勝っていた。
家康と顔を合わせれば、今日の二人の姿が
頭を掠めるに違いない。
その度に、家康の隣に居ていいのは
貴方じゃないと、責めらるような惨めさに
居た堪れなくなる予感しかしなかった。
一瞬目が合い、にっこり微笑んでくれた
小夏の顔を思い出しながら
(それにしても、綺麗な人だったなぁ〜
モデルさんみたいだった・・・綺麗で
弱音を吐かない強い人で・・身を挺して
家康さんを庇うような優しい人で・・
お互い大事に思い合ってる人達。
漫画なら、相思相愛の二人に割り込もうとする
感じ悪い、小賢しい嫌われ女子の
立ち位置か、今の私は・・・
ただ、好きって思ってるだけでいいって
思ってたけど、そんなの嘘だもんね。
隙あらば、もっと話したいし、もっと
一緒にいたいし、もっと自分を知って
欲しいしって思うもん。
そう思ってしまう、私のこの気持ちは
二人には、ほんと邪魔で迷惑でしかない!
人の幸せを邪魔するような
お邪魔虫な自分だけは、絶対に嫌!!)