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また、恋してくれますか。

第12章 〜終恋〜


桜奈は、その女性が婚約者だと
直感し、力が抜けるようにストンと
また椅子に座った。

その、桜奈の脱力に
光成もまた、桜奈の好きな相手が
誰なのかを確信したのだった。

『上杉さん、大丈夫?』と声をかける
光成だったが、告白した直後に
私の好きな人はこの人です!と
声にはならないが、叫んでいるように
見える桜奈の行動に
はっきりと、伝えはしたが
自分の気持ちが届くことも、桜奈が
自分を見てくれることもないのだと悟った。

『えっ?あっ、ごめんね。徳永さんがきてた
なんて知らなくて、ビックリしちゃって
ほんと、ビックリしちゃって・・・』
光を、失ったように虚な瞳は潤み
涙目になっていく桜奈。

『いや、こっちこそ。急に告白なんてして
驚かせてしまって・・・』
と、申し訳なさそうにする光成。

告白がどれほど勇気がいりどれほど怖いか
家康を好きになり、初めて知った
桜奈は、家康の突然の登場で
動揺しまくっている自分の態度が
光成をとても傷つけてる行為だと
気づき、申し訳なさが湧き起こった。

きちんと座り直し、真っ直ぐに光成を
見つめると『私の方こそ、ごめんない』
と、頭を下げた。
『告白してくれて、ありがとう。
私を想ってくれてたなんて、凄く嬉しい!
でも、私には好きな人がいるから
だから、その・・・』お腹の近くでギュッと
両手を組み力を入れて、ごめんないと言おと
すると、桜奈より前に

『徳永さんだよね・・上杉さんが好きな人って』
と光成が言った。

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