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また、恋してくれますか。

第12章 〜終恋〜


『そうなんだ、バイトは夏休み中?』

『うん、でもその後もよかったら続けてって
店長さんには言ってもらってる』

『そっか、良かったね。頑張ってね!』と
優しく微笑む光成。

桜奈は、光成が少し元気がないように
見え、さっき政宗に彼氏と勘違いされて
不快に思ったのかも知れないと
勝手に思ってしまった。

光成に好きな人がいれば、今のこの状態は
きっと政宗が言ったように彼氏、彼女に
見えると指摘された気分だったからだ。

気になった桜奈は
『岩田君、ごめんね。さっき政宗さんに
私の彼氏って勘違いされて、気分よくないよね
ただの友達なのに・・・』と申し訳なさそうに
言う桜奈。

『えっ、なんで、そんなこと思ったの?』
と、突然桜奈が言い出したことに
戸惑う光成。

『いや、だって、しぃちゃんが岩田君が
気の毒って言うから。二人で出かけたら
デートに見えるでしょって。でももし
二人でいるところを、岩田君が好きな人に
見られて勘違いされたら申し訳ないなって
思って』

光成は、図書館で桜奈がよそよそしく
感じた理由が、分かった気がした。
詩織が桜奈に何を気づいて欲しかったかも
同時に。

(にしても、上杉さんにはほんと、伝わらない
んだなー)と、ふっと笑いが出てきた。

(直球でないと、この気持ちは届く前に
伝わりすらしないのか・・・)
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