第12章 〜終恋〜
クスッと笑うと『時間、忘れちゃう
気持ちは、よーく分かるから気にしないで』
と微笑む桜奈だった。
お互い、気に入った本を借りて
図書館を出た。
光成は、『さて、丁度お昼だし
何食べに行く?』と桜奈に
聞いてきた。
『岩田君は、何か食べたいものとかある?
私は、スイーツが食べられるとこなら
どこでもいいよ!』
『僕も何でもいいよ。上杉さんとゆっくり
お茶できるとこなら。正直、あんまりお店も
知らないし、上杉さんのオススメのお店で』
と優しく微笑む光成。
『じゃ、この前の勉強会で一緒に行こうと
思ってた、パンケーキ屋さんでいい?』
『うん、上杉さんが超オススメのお店
だよね、確か』
『そうなの!もう、あそこのパンケーキなら
毎日でも、食べたいよー。太るから無理だけど』
少し残念そうに、苦笑いする桜奈。
(ほんと好きなんだね)と、思いながら
『そんなに、美味しなら期待しとこうかな』
と言う光成に
『うん!期待してて、ほんと超、超
美味しいよ』と力を込めて言ったが
ふと、光成が甘いものを好きかどうか
知らない事に気づいた桜奈。
『あっ、でも、岩田君は、甘いもの大丈夫?』
と尋ねた。
『うん、嫌いじゃないよ。基本、好き嫌いは
ないけど、さっきみたいに本に夢中になってると
ご飯を食べるの忘れたりしちゃうけどね』と
苦笑いした。