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また、恋してくれますか。

第12章 〜終恋〜


中に入ってからも、男女問わず
チラチラと見られる二人。
ーーちょっと、あの二人モデルみたいな
カップルだねーーとヒソヒソと、声がした。

普段は全く気にもしていなかったが
詩織に、《岩田君も気の毒》と言われた
言葉が、少し引っかかっていたことも
あり、カップルと言う言葉だけ耳に
入ってきた桜奈。

(ああ、やっぱりカップルに
見えちゃうんだな〜
どうしよう、勘違いされたら岩田君に
申し訳ないな・・・)と、だんだん気になり
光成と少し距離をとり歩いていると

『どうしたの?』と、不自然に離れて歩く
桜奈を不思議がる光成。

『な、何でもないよー』と焦り
また、少し近づく桜奈。

目的の本棚にたどり着くと
『あった、これだ!』と、目的の本を探しあて
桜奈に見せた。

『これ、この前読んで凄く感慨深かった
小説。有名だから知ってるよね?』
と、森鴎外の『舞姫』を見せた。

桜奈は、本の存在は知っていたが
まだ、読んだことはなかったのだった。

『題名は知ってるけど、まだ読んだことない』
と、答えると

『じゃ、今回のオススメは、これかな』と
ニッコリとしながら、光成は手渡した。

『じゃ、せっかくの岩田君のオススメだから
読んでみるね!』と、微笑みながら
本を受け取る桜奈だった。

『うん、ぜひ。じゃ、僕は自分の読みたい本
探してくるから、先に座って読んでても
違う本探しに行ってもいいよ。
1時間後に、入り口前で待ち合わせしよ』

『うん、分かった』と、桜奈も
別の本を探しに向かった。
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