第11章 〜別れ〜
桜奈は、バイトが決まって
ウキウキしていた。
『桜奈、嬉しそうね』と詩織。
『当然!!』と満面の笑みで答え
『だって、ほんと美味しいんだもん!
店長さんも、素敵な人だったし
しぃちゃん、私ね、パティシエ目指すって
決めたよ!』そう、詩織に決意を語る
桜奈だった。
その表情は、希望に溢れてていた。
家康の事で、切ない顔を見せていた桜奈
だっただけに、その明るい表情に
詩織は、安堵していた。
『うん、そうかなぁって思ってた。!
それにスイーツ愛が強い桜奈には
ぴったりな仕事だと思ってたし!いいと思うよ!
頑張ってよ桜奈。
はっー私も、桜奈みたいに夢見つけないとな』
と詩織は遠くを見つめながら、自分の将来に
想いを馳せた。
好き事がある桜奈が眩しく見える詩織。
(私の好きことっていったら、裁縫くらい
だしねー、私にも見つかるかな
夢中になれる何か・・・)
今まだ、何も思い浮かばない詩織だったが
桜奈のように夢中になれる何かが
自分にもきっと見つかる気がすると
桜奈から勇気をもらった気がした
のだった。