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また、恋してくれますか。

第10章 〜距離〜


しばらく、俯いたままハンカチで
涙を拭っていた桜奈だったが
『ちょっと、顔洗ってくるね』と
お手洗いに向かった。

桜奈の後ろ姿を見つめながら
詩織は、ずっと腑に落ちない気持ちでいた。

(なんで、今さら名前でなんて呼ぶの?
抱きしめたのは、100歩譲って桜奈を
落ち着かせる為としても、名前で呼ぶ必要ある?
それに、桜奈が誰かと仲良くしてる時の
あのイラつき方。でも婚約者がいるわけで・・
ぜっんぜん徳永さんが何考えてるか読めない)
と、ため息をつきながら頬杖をついた。

『お待たせしましたー』とパンケーキが
運ばれてきて、すぐに桜奈も
戻ってきた。

いつもと違うパンケーキに
目は、まだ充血していたがパァっと
明るい表情になる桜奈。

『良かった、今日一番の笑顔よ。桜奈
早く食べよう!』

『うん!そうだね!美味しいそう・・
いただきまーす』とパンケーキを食べ
始めた。

口いっぱい頬張りながら
『うーん、これおいひぃ』と、しみじみと
幸せそうな顔をする桜奈に

『ほんと、スイーツ食べてる時が、一番
幸せそうだね桜奈は』とクスッと
笑う詩織だった。

つられて桜奈も目が赤いままで
にっこりした。
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