第10章 〜距離〜
『うぅ・・・、やっぱりしぃちゃんの
尋問からは、逃れられそうにないや』と
苦笑いし
『とりあえず、注文してから全部
吐いて、楽になることにするよ』と
また、ニコッとするが切なさを漂わせた。
(ああ、無理に笑ってるし・・・
本当に、何があったんだろ?)
『そうだね、まぁ、突っ込んでおいて
なんだけど、もし、話したくないなら
無理に話さなくていいよ。
桜奈は、たぶん自覚はしてないと
思うけど、昔からしんどいときほど
笑うんだよね。笑ってるのに
辛そうで、見てられなくなる時がある
月曜の朝から、ずっとそんな笑い方してるから
気にはなってたんだけど・・・』
と眉をひそめ、心配する詩織だった。
『やっぱり、顔にすぐ出ちゃうんだねー私。』と
両手で頬を押さえて、むぎゅっと力を入れ
『この前も、徳永さんに同じこと言われた。
私はただ笑って、凹んだ気持ちを誤魔化してる
つもりでいたのに、辛そうに見えるって・・・
あと無自覚過ぎるから、もう少し
ポーカーフェイス身につけた方が
いいよとも言わた。
顔に出やすいから、気持ちバレバレ
みたいで・・・やになっちゃうな』
と、桜奈。
『まぁ確かに、桜奈は分かりやすい!
でも、それって桜奈が素直で
正直で、真っ直ぐってことでしょ?
それが桜奈の良いところでも
あるしねぇ。私には羨ましい部分でも
あるよ!』とにっこりする詩織。