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また、恋してくれますか。

第10章 〜距離〜


期末試験の朝、いつも通り詩織の家に
立ち寄った。

『ピンポーン』
ガチャっと、ドアが開き
『おっはよ・・う・・桜奈?』
いつもと違うと詩織は、直ぐに気づいた。

『おはよう!しぃちゃん』ニコッとする
桜奈だったが、詩織の顔を見て
切なさが込み上げてきた。

『ねぇ、桜奈、また何かあったの?』

『うん、ちょっとね・・・』
油断したら、詩織に縋り付いて泣いてしまい
そうな自分を堪えるだけで、精一杯の桜奈。
悲しげに微笑み、そして視線は自然と下に
向かい俯いた。

『そっか・・・とりあえず、学校行こうか!
今日は、夏休みを1日も逃さないための
勝負の日よ!気合い入れて行かなきゃね』
ぐっと握り拳を作り、やってやる!と言う
気合いを見せる詩織。

『そうだね!夏休みは、私も1日も
無駄にしたくない(少しでも一緒にいたい)!』

『でしょ!でしょ!期末が終わったら
パンケーキ屋で打ち上げするよ!』

『うん!よし私もパンケーキを心おきなく
食べれるように、全力を尽くす!』と
桜奈もガッツポーズで、切なさが
隠しきれてない笑顔をみせた。

(ああ、そんなしんどそうな顔で無理して
笑っちゃって・・・徳永さん絡みだろうけど
すぐに打ち明けられないくらい深刻なのか・・
桜奈が話したくなるまで待つしかないね!
私はいつでも話聞くからね・・・)

『よし、じゃ、しゅっぱーつ!』と
桜奈の肩に手を回し、テンション
高めで歩き出す詩織だった。

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