• テキストサイズ

また、恋してくれますか。

第10章 〜距離〜


クスッとする桜奈。
『素直じゃないけど、優しいですよね
家康さんは』と言う桜奈に

『はっ?別についでの時だけだし。
あっ、でも、政宗に送ってもらうって
手もあるから、連絡先なんて交換しな
くてもいいか』と嫌味を言う家康。

『いえ、いえ。せっかくですから
つ・い・で、がある時は、ぜひ宜しく
お願いします。やっぱ夜道は怖いので』と
ニコニコと、嫌味を逆手に取って返してくる
桜奈の笑顔に嬉しさと同時に
込み上げてくる切なさ。

(それでもいい、こうして、笑いかけて
くれるだけで、俺は十分だ)

『じゃ、つ・い・での時は、連絡して
あげるから、まぁその前にバイトに
受かったらの話だけどね』と
天邪鬼は変わらない家康。

また、クスッとし『はい、はい。
じゃ、受かった時は、ぜひお願いします。』と
(だんだん分かってきたけど
家康さんって、ほんと素直じゃないな)と
微笑ましい気持ちになった桜奈。

二人は、クスッと笑い合い
なんやかんやで連絡先やっと
交換したのだった。

政宗の連絡先も聞き、連絡を入れると
求人の詳細と、店長には話をしてあるので
都合のつく日に面接にきてと返事が返ってきた。

期末試験が終われば、夏休みまであっと言う間。

今年は、今までにない夏休みに
なりそうな予感がしていた桜奈。

好きな人と過ごす、夏休み。
夏休みが終わり、家康が引っ越して
しまえば、きっと、もう会うことも
できなくなる。

好きになって良かった、そう思える日々を
悔いのない時間を過ごしたい。桜奈は
密かにそう思っていたのだった。
/ 978ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp