第9章 〜秘密〜
『ん?』と言う顔で、桜奈に
見られている事に気付いた家康。
無防備な顔で覗き込む桜奈に
(///ドッドッドッ///)と鼓動が早くなった。
(ヤバイ、不意をつかれた・・・)
今日一日で、桜奈がモテることを
いやと言う程自覚した、家康。
桜奈が誰かと親しそうに、楽しそうに
話ながら、笑顔を向けるだけで、簡単に
騒つき、イライラし、それを抑えこもうと
している自分がいる。
そんな、家康に釘をさすかのように
家康のスマホがブーブーと震えた。
余裕をなくしていた家康は、自分がドキドキと
動機がしていることを誤魔化し、気づかれまいと
『ごめん、電話でていい?』と相手を確認せず
焦って、電話に出てしまった。
『もしもし?あっ、小夏か。どうしたの?』
(しまった・・・!!)と、チラッと
桜奈をみると、クルッと
背を向け会話を続けた。
『うん、大丈夫、良くしてもらってるよ。
今週は、無理だけど来週はそっちに行
こうと思ってるから。』
『分かった、ああ、またね』と電話を切った。
すぐ側で話を聞いていた桜奈は
小夏と聞いて、(ああ、そうか、そうだよね)
と自分がどんどん恥ずかしい奴に思えてきた。