第9章 〜秘密〜
『それにお前は、まだいいよ!
実際、お袋さんが、徳川の血筋なんだから。
しかも、名字違うから。
俺なんて、縁もゆかりもないのに
漢字がいっしょで、フルネーム書いた瞬間
はっ?って顔、毎回されるんだぞ!
いちいち、読み方説明すんのめんどくせーし』
と、過去の嫌な思い出を思い返していた。
『政宗さんのお名前は、どなたが
お付けになったんですか?』と、名付けた人の
戦国武将愛に興味深々の桜奈。
『桜奈ちゃん、ほんと戦国武将が
好きなんだな。俺の名前は、お袋が
付けたんだ。昔から伊達政宗の大ファンだった
らしくて、元々、自分の子供が男の子だったら
絶対に政宗って付けるつもりだったらしい
けどな。
更に、伊達(いだて)の家に嫁いできて
漢字まで一緒になるって絶対譲らなかった
らしいよ。親父とかは、やめてあげたらって
止めてくれたみたいだけどさ。
こっちは、いい迷惑だったけどな。
まぁ、今となれば、目立つし、女の子受けも
悪くないから利用してるけどな』と
何だかんだで、ポジティブ思考の政宗。
『政宗は、名前効果を最大限に利用してるよね
ある意味、尊敬』と白々しく言う家康。