第9章 〜秘密〜
『ワンチャンって、なんだよ。だいたい
お前、女の子に困ってないないじゃん。』
と軽いやつなのにと言いたげな家康。
『あっ、なんか分かるー!
政宗さん、超モテそうだもん。
しかも、料理上手なら女の子
ほっとかないよね!イケメンだし!』
と詩織。
『なんだよ、なんだよ、寄ってたかって
女好きみたいな言い方すんなよ。
失礼だなお前ら。
俺はこう見えて惚れた女には、一途に尽くす
タイプだぞ!って、聞いてる桜奈ちゃん』
と政宗が桜奈に話をして振った。
ちょうど、パンケーキを口に運ぼうと
していた時で
『えっ、何?ごめんなさい。パンケーキが
美味しすぎて聞いてなかった』とまた
パクッとし幸せそうな顔する桜奈。
『なんだろう、俺が作ったパンケーキに
俺が負けた感じがする、この敗北感。』と
苦笑いする政宗。
『残念、政宗さん。スイーツか
徳川家康でないと桜奈の心は
動かないんですよー!』とクスッと
する詩織。
『何?桜奈ちゃんも歴女なわけ?』
『も?ってことは、政宗さんの身近にも
歴女がいらっしゃるんですか?』と
桜奈は尋ねた。
『まあね、この名前のおかげで家康とも
仲良くなったようなもんだし!
俺ら、歴女被害者の会を立ち上げたいくらい
だよな!』と家康の肩をポンと
叩く政宗。
『いや、被害者の会は政宗が勝手に
言ってるだけだろ?』と呆れる家康に
『えーっ、冷てぇな、お前だって自分の名前に
ウンザリっていっつも言ってる癖にさ
ほんと、キラキラネームより悲惨な名前だよ!』