第8章 〜恋敵〜
勉強会当日。
桜奈といは、一緒に詩織の
家に寄った。
ーピンポーンー
ガチャっと詩織のうちの玄関のドアが
開き詩織が出てきた。
『しぃちゃん、おはよう』
『桜奈、おはよう』と言うと
詩織は、ニヤニヤしながら家康を見た。
(何で、ニヤニヤしながら俺を見るんだ?)
家康は、少しムッとし、眉をひそめた。
『あっ、しぃちゃん、紹介するね!
こちらが、家庭教師の徳永さん。
で、徳永さん、こっちが親友の
小野寺詩織さん、私は、しぃちゃんって
呼んでますけど』と、桜奈。
『どーも、初めまして、小野寺です。
お噂は、桜奈からかねがね。
今日は、宜しくお願いします』と
ニコッと挨拶する詩織。
『あっ、どーも、徳永です。宜しく。』
(噂って、どんな噂だよ)
自分が、桜奈にどんなふうに
言われているか、気になったが
淡々と挨拶する家康。
『じゃ、行きましょうか』と、桜奈は
詩織の隣を歩き、家康はすぐ後ろから
ついてきた。
詩織は、桜奈の為に家康の
個人情報を聞き出したくてウズウズ
していた。
(名前と、お姉さんがいるってことしか
聞いてないし、あと、3日目にして
やっと、医大生だってわかったって・・・。
好きになったのに、徳永さんのこと
何にも知らないじゃん桜奈。
どうせ桜奈のことだから
恥ずかしくて、会話もろくすっぽして
ないんでしょ)
流石、親友だけあって、詩織は桜奈の
行動パターンは、手に取るように分かっていた。