第7章 〜進展〜
それは、家康も同じだった。
『っつ!』桜奈を庇って
尻もちをつき、お風呂場のドアに
背中をぶつけた家康は、衝撃に顔を歪めた。
桜奈の声でゆっくり目を開けた
家康の眼前に、桜奈の顔があった。
家康は驚き、目を見開いた。(///ドクン///)
お互い、見つめあったままで
身動きできず、固まった。
『どうしたの!?凄い音がしたけど!』
とドスン、ガシャンと言う物音で
千里が洗面所のドアを開き
千里の声で、ハッと我に返った二人は
慌てて離れた。時間にしたら、ほんの
十秒にも満たない時間だったが
二人には、時間が止まったように感じた。
『あら、あら、どうしたの?二人とも
びしょ濡れじゃない?早くタオルで
拭きなさい!』と、タオルを取ろうと
中に入ってきた千里は、床も濡れている
ことに気づき
『床まで、びしょびしょね。
どうしたの?また接触事故?』
とクスッとしながら、二人にタオルを手渡した。
『すみません、俺が、水かけちゃったんです』
と申し訳なさそうにする家康。
『ママ違うの。徳永さんがシャワーで
洗剤を洗い流してる時に急にドア
開けちゃって、それで水がかかっただけ。
それでタオル取ろうとして、今度は滑って
転びそうになったところを
徳永さんが庇ってくれたの。
ごめんなさい、徳永さん痛かったですよね?
怪我はないですか?ほんと、すみません』と
平謝りする桜奈。
『いや、俺の方こそ、気づかず水かけちゃって
申し訳ない。転んでどっか痛めたりしてない?』
と心配し、気遣ってくれる家康。
『とりあえず、風邪ひくといけないから
しっかり吹いて、二人とも着替えて
きなさい!後は、私がやっておくから』
と千里。