第7章 〜進展〜
『そうよ、喜怒哀楽が全部顔に
出るのよ桜奈は。ママとしては
分かりやすすぎて、見てて面白いけどね』
と桜奈を揶揄った。
『面白いって・・・(ママは、娘を
どんな目でみてんのよ)
でもそうだったのか?
自分じゃ気づかなかったな。
どおりで、しぃちゃんにも気持ちが
バレちゃうわけか・・・』妙に納得した
気持ちになった。
(って、ことは昨日の落ち込みも
徳永さんにはバレバレだったのか。
顔色悪いって思われるほど、顔に
出てたんだトホホ・・・
えっ?でも待って、それって私が
徳永さんが好きだってバレてないよね?
それは気づかれてないよね!えっ?
バレてたらどうしよう、うぅ気まずい!)
この、ほんのいっときの間にも
しゅんとしたかと思うと、何かにハッとし
焦り、気まずそうな顔していく桜奈。
桜奈は考えながら、自分の表情が
変化していることに全く気づかずにいた。
気づけないまま、家康に自分の気持ちが
バレていたらどうしようと、覗き見するように
家康の顔をそっとみると、肩を揺らして
『クックック』と何故か笑っている家康。
(えっ?なんで笑ってるの?)と思う桜奈に
千里が『はっー、やっぱり、自覚するのは
難しそうね』と半ば呆れ顔。
『いいじゃないか、パパは可愛いと思うよ
桜奈のそういう素直なところ』とフォロー
し、家康も『俺もそう思います』と
鷹介に賛同した。
桜奈だけが、さっぱりわかって
いなかった。