第7章 〜進展〜
競争したせいで、不恰好な物も
あったが、食べる時には
『これ絶対、徳永さんが包んだやつですよ』
『えっ、俺じゃないと思うけど』と
牽制しあいながらも、和気あいあいと
夕食を楽しんでいた。
千里は、思い出したかのように
『そう言えば、桜奈、月曜から
期末よね?家康君に勉強みてもらわなきゃね』
『そうでした。俺一応、家庭教師も引き受け
てるし、いつでも言って。明日、明後日
みっちり教えてあげようか?』と不恰好な
餃子の犯人にされた仕返しとばかりに
ニヤリとする家康。
『そうよね、土日でしっかり教わったら?
なんていっても、医大生に家庭教師して
もらえるって、なかなかないと思うわよ!』
と千里。
『えっ、徳永さん医大生なんですか!?
ほんとに?凄く頭いい人だったんだー』
と驚く桜奈。
『何、それ?今まで俺、頭悪そうに見えてた?』
とクスッとする家康。
『いやいや、そんな事はないですよ!』
と、手を前に出し、横に振りなながら
否定しながら
『医大生って、初めて聞いたから
驚いちゃって。』と桜奈。
『だって、家康君、将来有望株よって
一昨日言ったのに、桜奈途中で
会話を遮って、聞かないからー』と千里。
『そう言えば、言ってましたね、有望株が
好きって。有望株って何?』と家康は尋ねた。