第7章 〜進展〜
着替えてリビングへ降りてきた家康と桜奈。
千里は二人に『今日は、餃子にしようと
思って。餃子のタネ包むの手伝ってね』
と言うと
『俺、餃子包むの始めてなんですけど
どんな感じで包むんですか?』と家康が
尋ねた。
千里は、すかさず『桜奈、悪いけど
家康君に教えてあげて、私はスープを
作るから、そっちはお願いね』と頼んだ。
『///えっ!私が?(いやいや、普通に普通に。
意識し過ぎはダメ!)分かったー』と
家康と並んで教え始めた。
『えっとですね、餃子の皮の淵にまずは
お水を塗って・・・』
『こう?』
『はい、そうです。それから多くなり過ぎない
ようにタネをのせて・・・それくらいで
あとは、こんな感じで包んで・・わっ!
徳永さん器用ですね!私より形きれいかも!』
『そう?初めてやったけど、面白いねこれ』
と楽しそうにする家康。
『くっ!私も負けません!』と謎の対抗心
に火がついた桜奈は、テキパキと
餃子を包み始めた。
『初心者相手に、何、ムキになってんの?』
と不敵な笑みの家康だったが
そう言いつつも、競うように包み始めた。
『とか言いながら、手動かすの早くなって
ませんか?』と桜奈。
『別に・・・』と家康。
お互いムム!と一瞬にらみ合いながら
負けず嫌い同士の競争が、始まっていた。
そんな二人を横目で微笑ましく見つめる千里。
(今朝は、険悪ムードだったけど
楽しそうで何よりだわ)とクスッとした。