第6章 〜片想い〜
一度、芽生えてしまった独占欲と
はっきりと自覚してしまった桜奈への
恋心は、日に日に募っていった。
そんな、視線で桜奈を見始ると
彼女の近づいて行く男子に妙にイラつく
自分も自覚していった。
決して、表にだすことはなかったが
内心では焦っていた。
もし、誰かが告白したら
優しい彼女のことだから、断りきれない
かもしれない・・・
自分でも制御が難しい感情を抱くことが
あるのだと、光成は、初めて知ったのだ。
そして、図書館で鉢合わせたある日
思わず、告白してしまったのだった。
恋愛小説の話の流れから、光成はさりげなく
聞いてみた。
『上杉さん、今、付き合ってる人とか
好きな人はいないの?』
『えっ?』急にどうしたの?と言う表情の
桜奈だったが、『付き合ってる人は
いないよ、好きな人は、家康だけど』と
知ってるだろうけどと言うように
悪戯っぽく笑った。
『そうなんだ・・じゃ、上杉さん
僕と付き合ってくれませんか?』
『えっ?』と驚く桜奈だったが
『いいですよ!私で、良ければお付き合いします。』