第6章 〜片想い〜
『そう?少しでも元気出たならよかったよ。
それに、ほら昔からよく言うじゃない!
初恋は実らないって!
ダメもとで当たって砕けろーだね!
もし砕けたら、スイーツ巡りしながら
私が全力で慰めてあげるから』と今度は
揶揄うよに桜奈の肩をポンポンと
叩きながら笑う詩織。
『初恋は、実らないって・・しぃちゃん
今、傷口に、たっぷりの塩が満遍なく・・
あぁ〜、しみてきた。痛いー。
もう、せっかく前向きになってたのにー
やっぱ、しぃちゃんえぐいー』と
半泣きの桜奈。
『あれ?そぉ?』ととぼける詩織。
二人は、顔を見合わせ、クスクスと
笑いあった。
『じゃ、砕け散ったら、しぃちゃんの
お・ご・り・でスイーツ巡りだからね!
赤字覚悟しといてよ!!食べまくってやる!』
『はい、はい、玉砕前提とは
いい覚悟じゃない、桜奈。
果たして告る勇気あるかしらねー』
と、シラッーとする詩織。
『うぅ・・それは・・・』口籠もる桜奈。
『まぁ、告るかどうかは別として
今はめいっぱい初恋楽しみなよ!
こんな、偶然なんて本当にないと
思うよ。ほんと、運命じゃないかって
この私ですら思うもの。
だから、一緒にいられる時間を
自分の気持ちを大事にね!』
と、桜奈の頭をポンポンと
撫でる詩織。
(上手く行くといいね、頑張れ桜奈)
『うん。そうだね!
しかも、徳永さんって家康の末裔なんだって
すごくない!?そうだった!末裔との
生活だ!楽しまなきゃ!』と満面の笑みを
見せた桜奈だった。
『えっ?そっち?』と桜奈の
ズレてる感じに、ため息が出る詩織だった。