第6章 〜片想い〜
部屋に戻ろうとした時、丁度、家康が
部屋から出てきた。
目が合い(///ドキッ///)とする桜奈。
そして、さっきの家康の言葉がよぎった。
目を伏せ、悲しそうな表情を見せる
桜奈に、家康は、
『ほんとに、体調大丈夫?』
と声をかけてきた。
桜奈は、また家康をみると
『全然、大丈夫ですよ!心配してくれて
ありがとうございます』とまた、無理に
笑い、『じゃ、おやすみなさい』と
部屋に入ろうとした。
すると、家康にパッと腕を掴まれ
『えっ?』と家康を見る桜奈。
『体調悪くないとしても
様子がおかしいよ。
ご飯、食べてる時は
あんなに楽しそうだったのに。
俺、何か気に触るようなことした?
何かあるなら言って!』
一瞬、顔を背け視線を逸らした桜奈
だったが、また、愛想笑いをしながら
『そんなぁ、(気づかれたらダメ)
辛そうな顔なんてしてないですよ。
それに、気に障るような
ことなんて何もないです。
ちょっと、寝不足だったから、きっと
そのせいです。もう、いいですか?』
と、淡々と話し、掴まれた手に
視線を落とす桜奈。
その態度に、家康は、これ以上踏み込んで
来ないでと言われてるような拒絶を感じ
掴んだ腕を離すしかなかった。
『おやすみなさい』と言って、桜奈は
部屋に入って行った。
桜奈の後ろ姿を見つめながら
閉まって行くドアに向かい
(一体、急になんで?
俺、何かしたのか?言ってくれなきゃ
分かんないよ・・・)
と、眉をひそめ、苛立ちの表情を浮かべた。