• テキストサイズ

また、恋してくれますか。

第6章 〜片想い〜


『今朝も寝不足だったみたいだけど?
珍しいわよね?勉強してても、睡魔には
勝てたことないのにね。今日も体調心配
するくらい、元気ないし何かあったの?』
と千里。

『うーん、特に何もないよ。体調も悪くない。
ただの寝不足かな。』と桜奈。

『さっき家康君も』と言いかけた
ところで、桜奈は、千里の肩に乗せていた
頭をパッと起こし、千里の話を聞き逃すまいと
するかのように、千里を見た。

その態度で、ため息の原因の大まかな察しが
ついた千里だったが、何ごともなかったように
話を続けた。

『顔色悪そうだったって、心配してくれ
てたわよ。カレーうどんも美味しかったって』
と言いと、『そう』と短く返事をしたものの
モヤモヤしてはいるが、カレーうどんを美味しい
と言ってくれたことも、気にかけて自分を
見てくれていたことも、嬉しいと思った。

俯き加減ではにかむような笑みを湛える
桜奈の姿を千里は、微笑ましく見つめた。

千里の視線に気づいた桜奈は、
『えっ?何』と、何でじっとみてるの?
と言いたげだったが

『ううん、何でもないよ。大きくなったな
と思って』と桜奈の頭を撫でた。

『さっ、寝不足は、お肌に大敵よ。
肌荒れした顔じゃ、男の子に
モテないわよ、今日はもう休みなさい』と
微笑んだ。

一瞬、えっと言う表情で、両手で頬を
確認するように触れる桜奈。
『うん、わかった。じゃ、もう寝るね
おやすみママ』と部屋へ戻って行った。

桜奈の後ろ姿を見送りながら
『やっと初恋?』とクスッと千里は
笑った。
/ 978ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp