第6章 〜片想い〜
体調が悪いかも知れないと
聞いていた千里は、桜奈がお風呂から
なかなか出てこないことを心配し
声をかけた。
『桜奈、大丈夫?お風呂長すぎない?
のぼせちゃうわよ?』
『うーん、大丈夫。今でる。』
と桜奈。
ちゃんと返事が返ってきたことに安堵した
千里は、リビングへと戻った。
少しして、桜奈がリビングにくると
『お待たせー、お風呂空いたよ、パパどうぞ』
『おっ!やっと出てきたか。今日はやけに
長風呂だったけど、のぼせたんじゃないか?
大丈夫か?』と真っ赤な顔の桜奈を
心配した。
『ごめんね、ちょっと考え事しながら
入ってたら、長くなっちゃった。
大丈夫、のぼせてないよ』とニコッした。
『そうか。それならよかった。
じゃ、俺も入ってくるかな』と
鷹介は、お風呂に向かった。
ソファに腰掛け、また『はっー』とため息を
ついていると、千里が麦茶を持って
きてくれた。
『どうしたの?ため息なんてついて。
あと、顔真っ赤よ。水分取らないと』と
氷の入った麦茶を桜奈に渡した。
『ありがとう、ママ』そう言って麦茶を
ゴクゴクと飲むと、また『はっー』とため息。
そんな、どこか心ここに在らずの桜奈の
隣に座ると、『また、ため息ついて。
どっか調子が悪いの?ただの寝不足?』
と言うと
千里の肩に、こてんと頭を預け
『ううん、ただ何か、疲れちゃって。』