第6章 〜片想い〜
そんな心配をされているとは
全く知らない桜奈は
湯船に浸かりながら、ため息が出た。
『はーっ』
(あっ、ため息ついてるし。
何なの、このモヤモヤした感じ?
自分で恋愛対象じゃないって
言い切ってたくせに。
でも、話てみたら、普通にいい人だったなぁ。
しかも、同じ気持ちで、すれ違った時見てた
なんて・・・運命だったらこの先
何か変わったかな・・・。
でも、私と出会ったことを運命だったら
良かったったのに、残念・・・だもんね。
本気で、運命だなんて感じてないから
言ったんだよね、冗談半分の揶揄い・・・?
徳永さんだって、あんなイケメン
なんだから、私より先に出会った素敵な人は
いるだろうし。
お姉さんを彼女さんと勘違いしちゃったけど
そうじゃなくても、もう、彼女いるんだろうな
聞きたいけど、今更怖くて聞けないよ)
そう、思うと、またチクッ胸が痛む。
そして、またため息がでる『はーっ』
思考の迷路にでも迷い込んだように
家康の言葉の真意を探し、なんであんな風に
言ったのかと、同じ考えを
ぐるぐるする桜奈。
けれど、答えが見つかる訳でもなく
考えが行き詰まるたびに、ため息が出る。
気づけば家康のことを考える自分を
考えないようにと制御してみるものの
はっと気づけばまた、家康の事を
考えている自分にもどかしさを感じていた。
(やっぱり、私、変だ。しぃちゃんが
言ってたみたいに好きになっちゃったのかな?
でも、好きが何なのか、よくわかんないよ・・
自分が、なんでこんに凹んだ感じに
なってるのかも・・)
『はっー』