第19章 可愛い恋煩い
「・・・つまり、好きじゃない人にキスされて落ち込んでいたところに、好きな人から“消毒”って言われてキスされたけど、相手の気持ちが分からなくて不安。ってことで合ってるスか?」
『うん、そうそう。それで黄瀬くんモテるし、経験豊富そうだなーと思って相談しました。』
そこまで言うと、彼女は頬を赤らめながらまた1口シェイクを飲んだ。
“友達の話”ほどなんの意味もない前置きだと言うことに気付いているのは、多分オレと黒子っち。火神っちはバスケバカだからきっと気付いていない・・・はず。
そして花子っちの好きな相手は緑間っちだろうという所まで分かってしまった訳だが、頬を赤く染めた花子っちを見たら気付いていないフリをする他なかった。
そんなことより、緑間っちだ。
消毒なんてキザなセリフ言っちゃうんスねー。
そっちのが面白くって心の中のオレはお腹抱えて涙流しながら笑っている。
「山田さん・・・のお友達の好きな人、多分ですけど、お友達のこと好きだと思います。ねぇ、黄瀬くん。」
黒子っちに名前を呼ばれ、意識を緑間っちから花子っちに戻す。
「オレも黒子っちと同意っス」