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緑間のバスケ【黒子のバスケ】

第16章 オレはオマエと






「・・・・・はぁー、何やってんだ、オレは。」



ここを曲がったら赤司の家がある。そこまで来て、オレは躊躇っていた。


花子のことが心配でここまで来た訳だが、オレたちは付き合っているわけでもなく、何度も言うようだがただの幼なじみだ。


花子が赤司と何をしようがオレには関係なしい、増してや口出しなんてできるはずもない。


ここにもし花子が現れたら、なんて言われるだろうか。


オレには関係ないと怒るだろうか。
それともこんな所まで付いてきて気持ち悪がられるだろうか。


そんなことを考えているときだった。



角から見慣れた制服を着ている女が勢いよく走りながら目の前を通り過ぎようとしていた。


そいつがすぐに花子だと分かり、腕を掴み足止めさせたが、当の本人はオレの存在に今の今まで気付いていないようだった。




「オイ、どうしたのだよ!そんなに急いで、転ぶぞ」



声をかけても下を向いて俯いたままの花子。
もう一度オイと声をかけると彼女は渋々と顔をあげた。




『・・・・・真ちゃんっ』



「なっ、どうした!」



顔をあげた花子の目は赤く腫れ、少し乱れた制服から見える白い首すじには複数の赤い痕があった。



それがどうしたらそうなるのかくらい、経験のないオレにだってすぐに分かった。



『・・・・・赤司がっ、』



そこまで言うと花子の目からは涙が溢れ、身体がカタカタと震えていることに気付く。


声を押し殺して泣く花子をそっと抱き寄せた。



本音は今すぐ赤司の元へ行って、1発いや何発でもあいつがボロボロになるまで殴ってやりたい気分だか、先ずは花子だ。
好きな女が泣いてるのを放っておける訳もない。



身を捩りオレの腕の中から出ようとする花子に出来るだけ優しく囁く。



「オレは赤司とは違う。」



何もしない。
寝てるのを良いことに口付けしたやつがよく言うな、と自分で自分に突っ込みたくなったが、花子はその言葉を信じたのかオレの胸に顔を埋めて泣いた。


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