第15章 洛山に来い
『赤司・・・、やだよ、お願い。・・やめて?』
今にも泣きだしそうなその声も身体もカタカタと震えていた。嫌がってる姿にさえ、とても欲情する。
「花子が僕に従わないのなら、力ずくでそうするまでだ」
『やっ、いやっ・・・んっ』
僕の下で足をばたつかせる花子の首すじを強引に何度も何度も痕が残るように吸う。
『あか、・・しっ・・・・痛いっ・・いやっ、んっ、』
「本当にやめて欲しいのか?・・・僕には気持ちよさそうに見えるが?」
やめて、やめてと泣きながら訴え続ける花子のうるさい口を塞ぐように荒っぽくキスをする。
一瞬息を吸うために開いた口のなかに自分の舌を滑らせ、花子のそれに強引に絡みつく。
『んっ、・・・はぁっ、・・・やっ』
それでもなお、嫌だのやめてだの言い続ける花子。
どれくらいそうしただろうか、意識が飛びそうな程口付けをし、花子は苦しかったのか唇を離すとむせ返っていた。
『ゲホっ・・・はぁっ、はぁっ、』
再び花子の首すじに舌を這わせたときだった。泣きながら花子は一言呟いた。
『・・・・・しん、・・・ちゃんっ』
はっとした。
思い起こせば、いつもいつも花子の口から出てくる言葉は真太郎の名前だった。
今くらい僕の名前を呼べよ、その気持ちを吐き出すように再び荒々しく啄むようなキスをする。