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緑間のバスケ【黒子のバスケ】

第15章 洛山に来い






花子を好きになったのは小学校5年生のとき。
あの頃は母さんが死んですぐで心の拠り所が無くなり塞ぎこんでいた時期だった。暗くなる感情を明るくしてくれたのが花子だった。


特別何かをしてくれた、というわけではないが、花子は一緒に笑って、バスケして、将棋して、と普通に過ごすのを付き合ってくれた。


ただそれだけのことが僕は嬉しかった。


ある日やはり母さんの死が悲しくて悲しくて泣いたとき、花子が僕を抱きしめた。



『分かるよ、悲しいよね。私もお父さんが死んじゃったときすごく悲しかったから』



このときもう既に花子に心奪われていたと思う。この人は僕のことを理解してくれるそう思った。


それなのに気付いたときには、『真ちゃんと赤司』僕はいつまでもおまけの存在なのだ。


花子が初めて試合で負けた日泣いてる花子を見つけたのも、先輩からの嫌がらせに気付いたのも、バッシュを探し回りボロボロになった花子を見つけたのも、体育館倉庫で傷付いた花子を抱きしめたのも、高校に誘ったのも、全部全部真太郎より僕のが先だった。



しかしたった1度だけ真太郎が先だったことがある。



それは・・・出会った順番だ。


たったそれだけなのに、たったそれだけが大きく、僕は何をしたって真太郎にはかなわないのだ。



しかし、いくら恋愛であっても、負けることなどあってはならない、なぜなら全てに勝つ僕は全て正しいのだから。
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