第47章 関係あるよっ!!大有りだよっ!!!
「おーい、緑間真太郎くーんっ・・・とあと・・・、」
『山田です。』
「あぁ〜そうそう。マネージャー志望の。オレ高尾和成ってんだ。バスケ部入るんだろ?オレも入るんだ。よろしくな。」
「なぜオレの名を知っているのだよ。」
真剣な真ちゃんの問いに、高尾はゲラゲラと声を出して笑いながら、バスケやってて知らねーヤツの方が少ねぇよ、と付け足した。
すっかり忘れていたが、真ちゃんはキセキの世代と言われている内の1人なんだから確かにそうか、とすぐに納得した。
「え、何?2人は付き合ってる感じ?」
『違うよ!ただの幼なじみ。』
「・・・なのだよ。」
なるほどねぇ、と吹き出し涙目になりながら更に笑う高尾。そして横であからさまに不機嫌になる真ちゃん。これが私たちの出会いで、“軽薄そうな人だな”高尾に対する私の第一印象は決して良くなかった。
そしてそれは言うまでもなく、真ちゃんも同じで、でも今のように仲良くなるのにそうそう時間はかからなかった。
「最近オレが残っているときは、必ずオマエもいる。それに練習中何かと張り合ってくる節がある。」
「・・・。」
「オレに特別な敵意でもあるのか?」
・・・まずい。
もしかしたらこのまま言い争いになってしまうのでは?そう思った私は、ボールの手入れを中断して何時でも仲裁できるように聞き耳をたてる。だがしかし、それは杞憂に終わる。
「オレ中学のとき1回オマエとやって負けてんだけど、」
『なっ、』
「悔しくて引退したあとも練習続けて・・・、そんでいざ高校進学したら、絶対倒すと決めた相手がチームメイトとして目の前にいやがる。」
笑うわ、マジ、なんて言い放った高尾の顔はもちろんちっとも笑っていなかった。
「けど今更敵意なんて持っても意味ねぇしな。むしろオマエにオレを認めさせたかった。」
“張り合うように見えたのはそのせいかな・・・”
と、どこか一点を見つめ思いの丈を打ち明けた高尾の顔はなんだか少し切なそうにも見えた。
負けた経験のない真ちゃんには決して言えないけれど、私には高尾の気持ちの半分くらいは分かるような気がした。私の中にもかつて存在していた“悔しい”という感情が共鳴した。