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緑間のバスケ【黒子のバスケ】

第47章 関係あるよっ!!大有りだよっ!!!






「なぜ言わなかったのだよ?」


「あい?」



まさかの真ちゃんの問いに、高尾はこれでもかと笑う。あぁ、この人は根っからの明るい人間で、よく笑って、優しくて、器用な人なんだろうなと私の第一印象はすぐに崩れ去った。



「なぜ笑う?」


「そっちこそなんでだよ。言うの?オレが?」


「・・・。」


「“僕、君にボコボコにされてから頑張ってきたんだ、認めてって?”」



ダッセ〜。
そう笑いながら高尾は再びコートに転がっていたボールを拾いあげた。



「そんなつもりねぇだろうけど、むしろまだ認めんなよ。オレはただオマエより練習する。」


「・・・。」


「自分で決めたことをやってるだけだ。」



この日この会話をしたあとから私たちは今のように仲良くなっていった。そして最後に言った高尾のあの一言を私は一生忘れることなどないと思ったのだ。



“そのうち思わず唸るようなパスしてやっから覚えとけよ!真ちゃん。オマエも手伝えよ、山田っ!”


・・・そうだ。
その言葉通り、いやそれ以上に頑張っていた高尾を近くで見てきたじゃないか。自分でも気が付かぬ間に、縫いつけたかのように噛み締めていた唇を解く。




『やめて、高尾。』


「山田・・・、いいのかよ?コイツ許すのか?」


『絶対に許さない。』


「じゃあ、」


『でもお願い、やめて。そんなヤツ・・・・・殴る価値もないよ。』



その後数秒、高尾をじっと見つめると彼は大きなため息を1つ吐いてから、乱雑に灰崎の胸ぐらから手を引いた。



「あ〜ぁ、バッカらしい。勝手にやってろよ。」



そう言葉を投げ捨てた灰崎は、わざと高尾を突き飛ばし、更に真ちゃんの横を通り過ぎるときには唾まで吐いてこの場をあとにした。


3人きりになったこの場は、なんなく気まずく、静寂で重たい空気だけが暫く流れた。それを一番初めに耐えれなくなったのは真ちゃんだった。




「高尾、花子を家まで送ってくれ。」


「え、なんでオレ?」


『・・・っ、』


「あとは頼むのだよ。」



私の目を一度だけ見た真ちゃんは、家とは違う方向へと足早に歩き出し、数歩離れたところでこちらを見ることなく言ったのだ。



(「別れる気などは毛頭ないのだよ」)

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