第47章 関係あるよっ!!大有りだよっ!!!
「アイツ、どこに行ったのだよっ!」
念の為、一度花子の家に帰ってみるが、もちろんそこに花子の姿はなく。“別れよう”のたった一言で、片付けられるほど、オレたちの関係は簡単なモノじゃなかったはずだ。
花子のことだ。
どうせ灰崎のことを気にしているのは分かる。だが、そんなことでオレの気持ちが変わることなんてあるはずがないのだ。
「全く、甘く見られたものなのだよ。」
そう小さく呟き、急いで花子を探すようにと高尾にメールを入れる。そして、走り出そうとしたその瞬間、ケータイが鳴り響いた。
それは赤司からの着信で、直感的に花子のことだと分かった。
「もしも」
「赤司、花子と一緒か?」
「いや、今さっき家を出て行ったところだが、やっぱり何も聞いていないのか?」
「・・・っ。」
オレが無言なことが答えで。
電話の向こうで赤司は淡々と話を続けていたが、何を言っているのか理解するのに、かなりの時間がかかった。
危機感が足りないとか、最早そういう次元じゃないし、赤司に返す言葉も見つからない。それを知ってか知らずか赤司は続ける。
「“オレ”は何もしてないよ、“緑間”。」
「なっ!」
“オレ”“緑間”その発言が意味することは、容易に想像が付いた。赤司は元に戻ったのだ。
「まぁ、一時的だけどな。」
「どうして?」
「いや、今はそんなことより、花子のことが最優先だろう?
なんでも“やらなくちゃいけないことがある”って花子はそう言って家を出ていったぞ。」
「やらなくちゃいけないこと・・・?」
「あぁ。何か心当たりはないのか?」
「・・・。」
「ちなみにこっちに来た花子は、“オレ”の好意には応えられないって、ちゃんと振られたよ。」
「っ!!」
・・・ちゃんと振られた。
その一言で花子が何をしようとしているのか分かってしまって、大きなため息がひとつ零れる。全くアイツはどこまでも心配をかけやがって、そう思うと更に苛立ちはつのるばかりで。
足早に赤司との電話を終わらせ、体育館へ戻る道を走り抜ける。きっとバカがつくほど真面目な花子は、灰崎に会いに行ったに違いないのだ。