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緑間のバスケ【黒子のバスケ】

第41章 オマエの隣にだって






「ただ、これはやり過ぎた。悪かったな。」



真ちゃんは私の手を取り、赤く擦れたネクタイの痕を親指の腹で何度も優しく撫でた。


昨日のその行為。
思い出すだけで恥ずかしくなりそうなほどお互いに乱れた。しかしそれも別に嫌じゃなかったし、真ちゃんの言った通り実際私も愉しんでいた・・・と思う。



『ん、大丈夫。』



それでも素直に言えないのは、何度身体を重ねてもやっぱり恥ずかしいからなわけで、結局それ以上は何も言えなかった。



「そう言えば、今日松野先輩に会った。」


『え?いつ?』



突然思い出したかのように口を開いた真ちゃんは、心底嫌そうな顔をしていた。



「オマエが木吉さんと話し込んでるときだ。高尾とオレに声をかけて来たんだ。オマエを探していたのだよ。」


『あー、そうなんだ。』



なぜ松野先輩が私に会いに来たのか、その理由は木吉さんが言っていたことと関係がありそうな気がした。


大方、明日は負けないという宣戦布告だろう。そう考えた私は、鉄平さんとの話を真ちゃんに伝えた。



「無論、次オレらの前に松野先輩が現れたら、有無を言わさず土下座させてやるのだよ。まぁ謝ったところで許しやしないがな。」


『・・・。』



「ただ、その根回しを木吉さんにされたと思うと面白くない。」


『い、痛い・・っ、』



真ちゃんは私の頬を片手で摘みながら大きなため息をはく。嫉妬深い真ちゃんのことだ。もちろんそう思われることは百も承知だった。


きっと木吉さんと控え室で話していたことさえも良くは思っていないだろう。そう考えると、木吉さんが自分を妹のように大切にしてくれていて、私自身もお兄ちゃんのように慕っていると思ったことは口が裂けても言えやしない。


そうして段々に嫉妬深い真ちゃんの取扱い方が分かるようになってきた。



その後いつも通り真ちゃんの家で夕飯をご馳走になり、これまたいつも通り家まで真ちゃんに送ってもらった。

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