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緑間のバスケ【黒子のバスケ】

第41章 オマエの隣にだって





「なぁ花子、毎回思うんだが、」


『ん?』


「・・オマエ、危機感無さすぎなのだよ」


『へっ』



気の抜けたような声を出した花子の顔を覗きこめば、耳まで真赤に染めて、目を泳がせる。ポニーテールにしていたヘアゴムを解き、梳かすようにその髪を指の間に通せば更に花子の顔は火照り出した。



『ちょ、真ちゃ・・っ』


「ここはオレの部屋で、」


『・・っ』



少し乱雑に、でも優しく髪を梳かしながらその手でそっと頬を掬いあげ、いつまでも合わない視線を強引に合わせる。花子の細い腕がオレの肩を押しのけようとするが、それは弱々しくて何の意味もないことくらい彼女も分かっているだろう。



『・・やっ』


「オレたちは恋人同士なわけで、」


『っ・・』


「今さらナニされても文句などないよな?」


『しん・・ちゃっ・・』



名前を呼ぶその口を塞ぐように、触れるだけのキスをした。本当はもっと荒々しいキスをしたかったが、試合後ということもあり体力も残り僅か。明日のことを考えるとこれ以上は躊躇われたのだ。



「・・今日はシない。が、もっと危機感を持て。隙だらけだ。もうオレたちはオマエの言うただの幼なじみじゃないんだ。」


『う、』


「オレはオトコで、オマエはオンナ。よーく覚えておくことだな。」


『以後気をつけます。』



解いたヘアゴムを返せば髪はポニーテールに戻り、何か思い出した花子は声を上げる。



『あっそうだ!昨日、鎖骨のところに痕付けたでしょ?』


「それがどうした?」


『どうしたじゃないよ!高尾に見られて昨日はお愉しみだったんだねってバカにされたじゃん。』



さっきまで隣に座っていた花子はオレの目の前に立ち、真赤だった頬も元に戻り、今度はその頬を膨らませていた。



「その通り、とでも言っておけばいい。実際、オマエだって愉しかっただろ?」


『バ、バッカじゃないのっ』



再び頬を赤らめるその様は、まさに百面相。そんなところがまた可愛らしいと思っていることは秘密にしておこう。



『こっちの身にもなってよね。』


そう花子はため息を吐くが、からかっている高尾もオマエに気があるんだぞと言ってしまいたくなった衝動をどうにか抑えた。

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