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緑間のバスケ【黒子のバスケ】

第36章 オレのオンナだ






「なんだと?赤司がここにいるだと?」


「だーかーらー何回もそう言ってんじゃん。山田に言い寄ってる感じでさ、アイツもビビってたし間入って止めたけど、何話してたかまでは聞こえなかったな。」



風呂に入るなり高尾から聞かされた話によれば、オレたちが山に行っている間に赤司が体育館へやってきたらしい。それに加え、中学時代の話を高尾にしたとか。



体育館で花子に触れようとしたときその手を避けられたことに疑問を感じていた。


・・・何か嫌なことをしてしまったのだろうか?
自分の行動を振り返ってみたが、思い当たる節もなく。その後の練習も夕飯も花子はいつも通りで、不自然だったのはあの体育館での出来事だけで、それだけがモヤモヤと脳裏に残っていた。


しかし高尾に話を聞き、その理由が大方理解できた。


・・・きっと赤司に何かされたんだ。


そう思ったら居ても立っても居られずオレは足早に風呂を済ませ、花子の部屋へと向かった。


今回も前回の合宿同様、オレと高尾は相部屋で花子の部屋はオレたちの部屋の隣。


トントンと軽く2回ノックをすれば花子は、はーい、と警戒することもなく扉を開けた。




『あ、真ちゃん。どうしたの?』


「どうしたのじゃない、オレじゃなかったらどうするんだ。」


『へ?どうもしないよ。』



ふにゃっと笑った花子はお風呂上がりなのか頬を赤らめて、髪の先はまだ少し濡れていた。そんな無防備な姿に加え、警戒心のない花子に苛立ちを覚えたが、ひとまず花子の部屋に入る。



「・・・赤司、来たらしいな。」


『あ、高尾から聞いたの?全く男の子なのにおしゃべりだなー。』


「ふざけるな。・・・何かされたんだろう?」


『別に、何もされてないよ。』



窓際に立つ花子はオレの顔を見もせずにまだ濡れている髪を耳にかける。花子がウソをつくときは、必ずと言っても過言じゃないほどに髪を触る。



「それで誤魔化せてると思っているのか?」


花子に近寄り、頬に手を添える。
払い除けさえされなかったが、肩を窄めるあたりやはり少し警戒しているように見えた。


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