• テキストサイズ

緑間のバスケ【黒子のバスケ】

第32章 知らないフリをしよう






夏休みまであと1週間になった昼休み、花子のTシャツを部室棟の裏にある焼却炉で見つけた。



「・・・やっぱりな。」



間一髪といったところだろか、燃えずに済んだTシャツを回収する。これで花子がウソをついていた理由がなんとなく分かった。


オレは足早に緑間の待つ部室へと向かった。



「赤司、遅かったな。」


「すまない。今日の将棋はなしだ。話がある。」



駒の入ったケースを取り出した緑間が不思議そうにこちらを見る。基盤を片し、パイプ椅子に座ったのを合図に、焼却炉で見つけたバスケ部のTシャツを緑間に見せた。



「それは・・・花子のTシャツか?」


「そうだと思う。タグに山田って書いてあるし、バスケ部に山田はオレが知る限り花子しかいない。」


「・・・どういうことなのだよ?」



状況を飲み込めていない緑間に、予想ではあるが説明をする。




「嫌がらせされているってことか?」


「あぁ、多分な。」


「誰がそんな幼稚な真似をしてるんだ?」


「・・・分からない。ただ、花子をよく思わない誰かとなると・・・・・、バスケ部の誰かか。」


「オマエのことを好いてる女も可能性としては考えられるな。」


「・・・そうだな。」



気に食わん、と腹を立てた緑間は立ち上がり部室を出ようとする。


正義感からか、はたまた好きな女が傷ついているからなのか、きっと後者だからだろう。緑間は今にも犯人探しを始めそうだった。


/ 355ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp