第30章 私、シューターになりたいです
「みんなの指導係になりました、松野です。よろしく。」
私たち新入部員の前で挨拶するのは、2年生の松野先輩。
最初に見せられた、1軍対2軍の試合で彼女は2年生ながら1軍のメンバーで且つレギュラーだった。
彼女のポジションはシューティングガードで、大事なところで3Pをしっかりと決めていた。周りにいる3年生たちに怖気付くことなく、自分に与えられた役割を全うしている彼女は、とてもキラキラと輝いて見えた。
それに加えて、アイドルのような可愛らしいルックス。すぐに私は彼女に憧れた。
『もうね!本当にかっこ良かったんだよ?松野先輩。』
「何度も何度もうるさいぞ花子。1回聞けば分かるのだよ。」
『あ!公園で練習して帰ろうよ?男子も振り分けテストあるでしょ?』
「そうだな、緑間はどうする?」
「母さんに、このうるさいやつと帰って来ないと何故だかオレが怒られるんだ。」
『じゃー決まり!3人で行こう!』
全く、理不尽な話だ、なんて真ちゃんはため息を吐いた。そして私たちは近くのコートのある公園で部活のあと毎日のように練習した。