第10章 思わぬ人達との再会
「エース、助けてくれてありがとう」
「いいってことよ! おれも、姉みたいに思ってるお前を助けられて本当によかったしな!」
「姉…………」
「気に食わなかったか……⁉︎」
慌てるエースに、ノエルは違うと首を横に振る。
「私、仲間に妹扱いされてるから、ちょっと新鮮だなーって、思っただけよ」
「仲間って…………お前海賊になったのか⁉︎」
「そうよ、ハートの海賊団って言うところでね。私を助けてくれた、とってもとってもいい人達。大好きなの」
ふわりと微笑んだノエルに、エースの顔が赤くなった。どうしたの? と聞くと、気まずそうにボソボソと
「お前の手当てしたやつの手伝いで、おれも手当てしてたんだけど………………その……背中にキスマークが付いてたから…………その海賊団の誰かと恋人同士なんだなって…………」
ボンッ! とノエル顔が真っ赤になった。
(見られた…………!! 無理恥ずかしい!)
「アホ、何不躾な事聞いてんだよい」
「でっ⁉︎」
突然部屋に人が入ってきたと思ったら、その人物はエースの頭を殴っていた。
「何すんだよマルコ!」
「お前にデリカシーがないからだろい」
ぎゃーぎゃーと騒ぐ彼らをぽかんと見つめるノエル。するとまた一人、人が入ってきた。
(リーゼント、初めて見た……)
「こんにちは、お嬢さん。おれはサッチって言うんだ。この船の四番隊隊長さ。
そこのパイナップルはマルコって言って、一番隊隊長な。よろしく頼むぜ」
「ノエルと申します、よろしくお願いします」
ノエルがサッチに挨拶すると、マルコとエースも喧嘩をやめた。
「ノエルちゃんってェのかィ。よろしくな」
「はい、よろしくです」
(白ひげ海賊団の隊長クラスがこんなにも揃ってるなんて…………って、私白ひげさんに挨拶してない!)
「エース!!」
「うおわっ⁉︎」
鬼気迫るノエルの表情に、その場にいた誰もが慌てた。
「私ッ、白ひげさんに挨拶してない!! 白ひげさんの元に連れて行って!!」
「え…………いい、けど……どうするんだ?」
「挨拶しなきゃいけないでしょう? 助けてもらって船にまで乗せてもらってるのに、何も言わないなんて失礼じゃない」
と言うと、その場にいた三人は納得したようだ。