第10章 思わぬ人達との再会
「グララララ、エースが女助けるなんざ珍しいと思ったら、まさか四季姫とはな」
「お初にお目にかかります、ノエルと申します。此度は助けて頂いた上、乗船までさせて頂きまして、誠にありがとうございます」
「礼儀正しい娘じゃねェか」
怪我が治るまでゆっくりしていけ、と言う白ひげはどうやらノエルを気に入ったらしい。
最初はすぐに帰りたいとノエルは言っていたのだが、翼がないと帰れないうえ、未だコントロールが効かない。
そうなってしまうと、ノエルは帰る術がない。
白ひげの言葉に甘え、ノエルは怪我が治るまで乗船させてもらう事にした。
のだが。どうしても包帯を変えてもらう必要があり、恥ずかしがったノエルは一度は断った。
が、マルコがそれを許さず、恥ずかしいならナースにやってもらうといいよい、と言われ、渋々やってもらっているのだが。
「恋人さん独占欲強いのねェ〜」
背中のキスマークを見られるのだけは本当に勘弁して欲しかった。
(ローのバカ! もうほんっとバカ!)
挙句ノエルは消えにくい体質らしく、中々消えなかった。
キスマークは消えたが、怪我は治らない。それもそうだ、火傷に裂傷……ヒビ骨折まであったくらいだ。
怪我が治るまでは船から出られない(エースやその他隊長が見張っている)。
その間、翼のコントロールが効くように練習をする。しかし、何度やっても翼は生えない。
焦りと共に苛つきが増す一方。今にも地団駄を踏みそうなノエルに、白ひげ海賊団はハラハラしている。
「えっと……ノエル、サン? あんまり無茶すると傷に響くぜ?」
「わかってるけど…………! あーもう! どうして翼が生えないの⁉︎」
オドを身体中に巡らせてみても、効果はなし。
ならばと背中に一点集中させても、効果なし。
「私はただ、ローの元に帰りたいだけなのに……!!」
そう叫んだ瞬間、ノエルは白い光に包まれた。
それは、その場にいたエース達が眩しさに目を閉じてしまう程だった。
「これ……!!」
光が収まると、ノエルの身体には真っ白で美しい翼が生えていた。
恐る恐る動かしてみると、ふわりとノエルの身体が浮いた。
「やったじゃねェか、ノエル!」
「うん!!」