第10章 思わぬ人達との再会
「う………………」
身体の痛みで目が覚めた。見知らぬ天井に、手当てされた身体。見知らぬ白い、ワンピース。
ここは一体何処なのだろうか。自分はあの少佐(仮定)諸共隕石を食らったはず……。
とノエルはあの時のことを振り返る。
(そうだ、私確かあのギリギリで翼生えて…………ちょっと上空に飛ぼうとしただけなのに、コントロール効かなくて、結構遠い場所まで一気に…………その後どうしたんだっけ?)
飛んでからの記憶が一切ないノエル。
ここは一体何処なのか、まったくもって検討がつかない。
海楼石や鎖を付けられていないところを見ると、どうやら海軍や奴隷商船ではないらしい。
では一体誰が……?
そう考えたところで、部屋の扉が開いて、人が入ってきた。その人物を見たノエルは、驚きの表情を浮かべた。
「エース……⁉︎」
「ようノエル、久しぶりだな!」
(何でここに、いや、何で私がここにいるの……⁉︎ だって、ここは新世界で…………⁉︎)
「新聞読んでお前の事は知ってたけどよ、何でこんなとこにいるんだ?」
「それは私が知りたい……! ここは白ひげの船でしょう⁉︎ そして、この船は今新世界にいて、それで……!」
「落ち着けノエル! 確かにここは新世界だが、今この船がいる場所は魚人島付近の海域だ」
「え…………?」
エースがスペード海賊団としてワノ国に行った事、ノエルは知っている。それなのに、魚人島付近にいるとは、何事だろうか。
「みんなで魚人島に行きてェって話になってよ! 急遽予定を変更して行ってきたのさ!」
「そう……だったの」
それなら、まだノエルが帰れる可能性も上がる。ベッドから飛び起きようとして、身体に激痛が走った。
「痛ゥ!!」
「オイ、あんまり無理すんな! お前、一週間昏睡状態だったんだぞ!」
「はァ⁉︎」
何という事だ。あの日から一週間経っているなんて……。
翼で飛んだとしても、新世界まで来るとなると何日もかかるだろう。
だがあの日はちょうどオドの暴走のおかげ(せい)で、ブーストがかかったのだろう。
「オドの暴走は止まった……か」
念のため、オドを溜めている湖を、さらに広げておいた。これでしばらくは大丈夫だろう。
ノエルは、改めてエースと向き合った。